ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

すのはら荘の管理人さん

 

すのはら荘の管理人さん Blu-ray 第1巻 [Blu-ray]

すのはら荘の管理人さん Blu-ray 第1巻 [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: Blu-ray
 

うおーきびしー。いやこういうのが全然オッケーという人に向けてつくられているのはわかるんだが、しかし、オレはこの枠組みにもう全く乗れなくてビックリしてしまった。しんどい。

だって「男になりたい!」って独り暮らしを始めた少年が、管理人さんに「女の子に間違われて」「男扱いされない」現状を、おっぱいの魔力で追認させられる話ってふつーに辛すぎません? なんで「男になりたいのになれなくて苦しんでいる」主人公に、あんなにセクシャルな近づき方してくるの? ラッキースケベ的な枠組みでそれが要求されるのはわかるんだけど、じゃあ最初からこんな内面の主人公にするべきじゃないんじゃないかなあ。ふつーに性暴力を、しかも性暴力と認識しない枠組みで、エンタメに仕立て上げてるようにしか感じられなくて、うーん、乗り切れねー。いやまあ、こういう言い方するのはちょっと挑発的なのはわかってていうけど、これ男女性別反転したら、本当に気持ち悪い図式になるとか思っちゃうんだよね。

特に「これはどーなの?」と思ったのは花火の回で、男性性が否定された主人公が耐えきれず女性陣を振り切って逃げ出すんだけど、結局そこになんのケジメもなく管理人さんに「ごめんなさい」しちゃうわけじゃない。ちょっとドラマとして破綻していると思う。

そういった弱者への支配を争う姉の登場で、アングルが少し変わるのかなーと思ったら、結局肉体的な快楽で相手をほだして解決しちゃうじゃない? でも弟を女扱いして活動させる、それを両親も追認するというのはもうヤバいくらいのDVにしか思えなくて、そこに対してなんのフォローもないのは、エンタメとしてさすがにどーなの? と思っちゃうよねー。

こんなつくりにするなら最初から「一見拒絶はしているものの、内心女装することもまんざらではなく、むしろ女性になりたいと願っている主人公」の話の方が良いのかもしれないなー、とか思いながら見ちゃったよ。いや、あらゆるエンタメが政治的に正しい必要はないともちろん思うんだけれども、しかし同時にあらゆる創作物は政治的な視点から完璧には逃れられないというのも確かで……みたいな面倒なことを考えるようになってしまったなー。悪いこと、ではないと思うんだけど。