しょーじき全然感心しないのであった。長回しで戦場を捉えることの意味ってなんなんじゃろーか。『ロープ』のスケールならわかる。『バードマン』も擬似ワンカットになることによって空間自体がある種の劇場化してしまう感じがあって感心した。でもこの映画の長回しって、作品に付与する効果よりも先に「映像すげー」ってのを感じちゃってどうもなーと思う。いやさすがにすごいんだけど。すごいよね。
あと多分色々指摘されてると思うけど、最近のゲームの演出に見えて本当に仕方ない。ローアングルのフォローショットとか、もう完璧に「カメラ固定で演出シーンは要りました。前には歩けるけどスピードはセーブされてるからストレスを溜めて次のシーンへの期待を煽りますよ」みたいな感じ。橋の手すりからジャンプする緊張感って、あれふつーにコントローラー握った方が絶対面白いもんなー。むしろ一番映像的に手に汗握ったのはネズミが爆弾を爆発させるシーンで、あれってゲームだとムービーシーンで関与できないところなイメージでありまして、あーここらへんが映画とゲームの分水嶺かなーとか思う。ステージデザインも良くできたTPSゲームって感じだよねー。夜の街の光と影で見せるシーンも、あーはいはいちゃんとステージの趣向がありますね! って感じを受けます。あと「特殊な音の演出」も大変ゲームっぽいというか、内面描写の区切りになるとすーっとBGMが前面に出て来るのとか最高に「連続する描写内での意識のコントロール」って感じ。
ちょっと残念だったのはキャラの出し入れかなー。もうちょいフレームの外と中で人が出たり入ったりして面白くなったら良かったのにと思った。前半の人ごみとか、二人一緒に歩いてるパートで片方が見えなくなったりとか、ああいうのはいいよねー。
あとはなー、やっぱりキューブリックはすげーよなー。『突撃』の戦場とか『フルメタルジャケット』の光の演出とか思い出さずにはいられないですよどうしたって。