ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ギャラリーフェイク

 

いやーこれめっちゃおもしれーなー。序盤は突然古代文明の遺跡を発見しちゃったりして、ここまでリアリティのタガを外しちゃって大丈夫? とか思ったんだけど、中盤以降の安定感がヤベー。基本的に人情話なんだけれども、単純に善悪で割り切れない余韻を残した終わり方が多いのが、うーん大人のストーリーですねえって感じ。

そして何より素晴らしいのがやはりニセモノをテーマにしていることで、自分も結構最近アート系の作品に触れているものだから、芸術において真贋のびみょーなニュアンスというのは根本に位置するものなのだなあと思っている。しかしまあエンタメのストーリーにおいて「真は善で贋は悪」ってのは非情に強力な求心力を持っているわけで、それを「FAKE」というギャラリーを開いたりあとライバルキャラに真贋白黒つけるキャラを置いたりと、もう真っ正面から挑んでいくその姿勢がすげー! ってかんじ。でもってちゃんとそれが機能している、どころかニセモノを巡る話であることが全体のテーマとして機能してるんだからなー。いやーこれ偉業ですよマジで。最後のエピソードも、まああんまりうまく畳めたとは思わないけど、それでもモナリザのバリエーションで締めるんだから、いやーほんとにすごいなー。

しかしまあなんだかんだいってもラブコメですよねラブコメ。この作品における片輪がフェイクを巡るアレやコレやとすると、もう片輪はブラックジャック的なお金の問題だと思うんだけど、サラちゃんはもういきなりその金銭感覚のタガを外すジョーカーとして登場しちゃってて、もう明らかにつくりとしてははみ出してる部分があるんですよね。中東のキャラクターってことでなかなか話にも絡めづらいし、うーんこれ苦労するよなあ……と思ったけど、フジタさんとのラブコメでめちゃくちゃ生き生き動くんだからなー。準レギュラーが出たときの回はやっぱり愛着が湧くし、やっぱマンガはキャラクターだと強く思わされました。