こいつもグラフィティの映画。
ストリートアートとの対立というか、思想の違いが出ていてへーなるほどーという感じ。あーこいつらやっぱ絵を描かないとジャンキーになって廃人になるかギャングの抗争で死ぬしかない世界感なんだよなーという感覚があってよろしい。冒頭のモノローグのかっこよさったらないですねー。
ただ町の空気みたいなのはもうちょっと感じたかったなーというのはあって、そこはちょっと不満かなー。システムというか、場というか、彼らをその場に留め置いている磁場みたいなものが全然なくて、友人とか家族とか恋人とかライバルとか景観とか変なグルとか、徹底してそういう個人的な繋がりだけで物語が紡がれていて、その徹底はそれはそれで大変青春っぽくもあるんだけど、個人的にはそういった状況をつくり出す文化的背景の方に興味があったんだなーと思う。
ストーリーはまあ感傷的な結末を迎えるわけだけれども、ああいうどこにも行けない人間をこういったアートの映画で描いちゃうのはやっぱ残酷だよなーと思う。全然違うんだけど、そういう意味でオレは『シティ・オブ・ゴッド』がめっちゃ好きなんだなーというのも再確認したのだった。