『万物理論』でいーじゃんなんでこんなタイトルなの? と最初は感じたけど、見終えたらまあ確かにこういうタイトルにしたくなる気持ちもわかる。天才側を掘るのかと思ったらそっちはほどほどにして障害者とその介護みたいな大変デリケートなテーマをガンガン掘っていくのだからいやまあすごいですよね。セックスの問題にもちゃんと切り込んでいて、うーんとても良い映画でありますよねコレ。だってホーキングがALSにかかったことを明示して、それでも愛が故に結婚した女性が、長年の介護の末に別居して他の男性と家庭を築くとか、まあ本当に覚悟のいる題材だよなあ。
しかしまあ、そんなふたりの選んだ人生が尊重しなければならないものに見えるのは、やっぱりその描写が彼らの悩みをちゃんと見せているからだろうなあ。っていうか少しずつ筋力を失っていくホーキングの芝居がすげー。もちろん妻の芝居もすごいですけどね。積み重ねの末にやってきた別れのシーンはズシーンと来ちゃいますよね。
でもって車椅子に乗ったホーキングがいちいちチャーミングなのがとても良い。ギャグシーンがいちいち大爆笑だもんなあ。デイジーデイジーやられたらそれ笑うでしょ。
ラストもペン拾いから逆回転で鮮やか一本って感じ。いやーほんとイイ映画を見させていただきました。