ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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まー面白いんだけど結構期待値が高かったのでまあこんなものだよなーという気持ちもある。タランティーノってこういう作家なんだよねーと思う。

映像としてはうーんおもしれーという感じで、ディカプリオとブラッド・ピットが同じ画面で組み合ってるだけでそりゃー見応えあるよね。ディカプリオはいかにもな役者の芝居を役者としてガンガンやって、ブラッド・ピットはナチュラルに暴力振るう。編集もカメラもカッコいいし、音楽もノリノリ。ラストもあーこれ『イングロリアス・バスターズ』とか『デスプルーフ』で見たヤツだ、という既視感はあるけれども、その既視感ってまあ快楽中枢に忠実なので別に全然嫌いにはなれない。

それでもやっぱり乗り切れないのはタランティーノにハーヴェイ・ワインスタインの事件があったからで、そんな彼がこの映画ではポリコレに関してのインタビューを受けていることが知識としてあり、あとやっぱり1969年という時代が今のアメリカとどう呼応するかみたいなところをどうしても期待してしまうからであります。えーこの状況でフツーにいつものオモシロ映画を作っていいの? いやまあ別にあらゆる作品がポリコレに盲従しろとかは全く思ってないんですけど、しかし現代でそういう要請に対しての態度が全く見えないのもむしろ不自然に思えるというか……まあヒッピー・ムーブメントとカルトがどんな社会的位置づけなのか全然理解してない自分が知識足りないって可能性はめちゃくちゃある。でもむしろそういうのが糞食らえと監督が思ってるような感じもする。

まーしかし巧みは巧みだよなー。どう考えてもクサい展開になってしまうディカプリオの奮起の芝居に子役を宛がうことで、クサさ二乗でむしろ謎の良さが出てしまう辺りとか、ちょっと普通の作家じゃ真似できないでしょアレ。