うーんたまらん。たまらんでしょこの映画。
まー序盤からポンポン時系列とか場所とかが飛んで日常が進んでいくんだけれども、ちょっとずつ進む状況理解の間に、「えっ」てビビるシーンが不意に出てくるもんだから結構目が離せなくて、長尺なのにまあ編集で追いかけちゃう感じ。でもって脚本もまあ巧みにできていて、ここぞというところでズギャッと溜まらん編集で謎解きが行われたりして、あーあーあーとなる。なるほどねーこれは見てしまうわ。この編集だからこそ説得力のある脚本だわ。
でも一番の山場は時系列とか弄らず不意に現れる別れた妻との再会のシーンで、いやーあそこが素晴らしすぎて素晴らしすぎてたまんないですね。これまで積み重ねてきた主人公の内面がぎゅうううううううっと圧縮されている感じ。あんな目が離せないシーンはなかなかないですよ本当に。思い返すとアレだ、兄の別れた妻との再会があんまうまく行かなかったところとか、よく効いてるんだろうなー。
それにしてもラス前のキャッチボールのあのシーン、最高じゃないですか? ふつーのキャッチボールじゃなくて地面にワンバンツーバンさせながらのキャッチボール。「ほっておけ」って言っちゃったり、かと思えば体にぶつけちゃったり。映画の締めにあのシーンがあるだけでもう、私拍手喝采でありますよ。