ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

エル ELLE

 

エル ELLE [Blu-ray]

エル ELLE [Blu-ray]

 

ポール・バーホーベン! なんだこんなに大人な映画なの……? と思ったら途中からバーホーベンっぽさがほの見えてきて笑う。見終わってみれば大変良いバランスだよなあ。

いやもうホント、最後の方の引っ越しシーンのゾクッとする感じが素晴らしくて、もうそれだけでごちそうさまでした! という感じ。怖い映画ってのはこういう者のことなんじゃないかなー。下手なホラー映画よりよっぽどこの話の方が怖いよ。怖いのは人間だよ。隣人怖い。凡人怖い。

メインの他にサブのプロットで会社のいたずらメールやら肌が黒い子供やらが出てきて、それはあんまり本編には関係してないけれども、まあちゃんと興味を惹かせつつ主人公の闇の部分を引き出す感じになってていいよなー。灰をまくパートで仲違いしちゃうとか、もう場面のつくりがうめーなーと唸ってしまう。父親との関係の宙ぶらりんの感じとかも、いやーほんと、大人なつくりじゃございませんか?

しかしまあなんといっても主役が素晴らしいですね。女性でゲーム会社の社長やってるって設定は大変不思議だけど、でもまああの出自だったらそういうのもありなんだろうなあと納得させられてしまう。母親の立ち位置もよいし、息子のへっぽこぶりもグッドだし、恋人のアバズレぶりも最高。あれー? なんかすげーイイ映画に思えてきたぞ……