ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

オリンピックと東京改造 交通インフラから読み解く

 

オリンピックと東京改造 交通インフラから読み解く (光文社新書)

オリンピックと東京改造 交通インフラから読み解く (光文社新書)

 

これこれ。これが読みたかったんだよこれ。都市計画にちょっと興味があって、オリンピックが東京にきてさあどうなるの? と思っている自分にとってはまさにドンピシャ。もっと先に読んでおけば良かったなあ。

ともあれ、この本に書いてあることはこれまで読んだ本や知識で大体聞いたことのある内容が多い。都市計画が招致からの数年で決まる、なんてのがあり得ないのは、他の本でもなんとなく察してた。でもそこで改めて、「首都高や新幹線はオリンピックが計画を加速させたけれども、オリンピックのためにつくられたわけではない」ってのを何度も何度も強調するのに、この本の価値はあるわけで。

2020年の東京がそれほど大きく改造されるわけではない、というのも予算やらなんやらからロジカルに説明されるわけだけれども、いやーしかしほんと未来から目を背けたくなるオリンピックだよなあ。東京でさえ人口減少が避けられなくて、そんな中でどういう都市のデザインを行うか、というのはまあ大変な難題だと思うんだけど、そういうところに「新幹線!」みたいに具体的な成果が出てこないのは本当にしんどい。たぶんそれは日本橋首都高問題だったり、効率の上では悪い水路の整備だったり、そういう文化への舵切りだったりすんのかなーとは漠然と思うけど。いやはや、人間自分の老いに向かい合うのって大変よねえ。

あと、この本で一番驚いたのは「東京が鉄道の都市」って指摘。いやまあいわれてみれば納得で当たり前で気付かなかったんだろうって感じなんだけど、確かにこれだけ鉄道が発達している都市というのは珍しいのかー。文明開化の富国強兵で西洋に追いつこうとしたときに、まずは鉄道の整備を中心に都市をつくろうという意識になったのはナルホドって感心させられました。