うーん面白い。日本が明治時代に凄まじい勢いでヨーロッパの学問を輸入したという話はちょくちょく聞いていたけど、法律という観点から具体的にその道のりを辿られると大変説得力がある。そもそも英仏独の法律の成立の違いとかもためになって、後発のドイツが後発故に優秀な法律体系を持っていたとかそういうのが最高に楽しい。こういうのを見るとまた世界史を勉強したくなるんだぜ。東京の大学とかに詳しければ、もっと面白く読めるのだろうなあ。
そしてまあ当然言語の輸入は思想の輸入でもあるわけで、言語変換の際に概念がこぼれ落ちてしまう、という話もめちゃくちゃエキサイティング。っていうか「right」が権利であると同時に法であるって、説明されてみるとなるほど納得だけれども、日本語で考えるともうそんなの全く想像してなかったよね。いつも「権利と義務」みたいな組み合わせで使われることが多い印象だけど、「法」って視点から見るとまた全然意味合いが違ってくる単語だよなあ権利。
最後の方で、日本だけが特別じゃないみたいなクギ刺しはあるけれど、でもやはり法律がお上のものである、みたいな考え方はホイホイ受け入れたくなっちゃう説得力がある。いやー、人権とか法律とか公共性とか、ほんとおもしろいなあ……