ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

プリント・ザ・レジェンド

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3Dプリンタが技術的にどのような存在で社会的にどのようなインパクトをもたらして歴史上どういう意味があるのか、みたいなのを概略する話なんだろうなあと思って見始めたら全然違った。3Dプリンタというのはわかりやすい切り口にしか過ぎなくて、その中身はもう少し普遍的にスタートアップの会社がどのように成長してどのように変化していくかを描いたものだった。今までそういう切り口で組織のドキュメンタリーは見たことがなかったから、最高に面白かったなー。

色々見所はあるのだけれども、ブレ・ペティスがウォズに憧れてたみたいな序盤のコメントが最高に面白い。そんな人間が企業の顔として活動しているうちに、いつの間にか「成長しなければならない」というドクトリンに囚われて自分の行為を正当化しちゃうんだもんなあ。あのジョークが本心でも本心じゃなくても、だいぶ重い言葉であった。まあビジネスとして成功することを第一の目標とするならば、そういう環境への変化は必須であるということなのだろうけれども。でもなあ、それじゃウォズはもちろんジョブズにも当然なれないのじゃないかしら。

まーその、最初にオープンソースであることを標榜していたけれども、自分はその下りには結構反感を抱いていて、会社が組織であるということは最低限の安定性とか持続可能性が求められるわけで、少数の才能ある人間の短期的なプロジェクトとしてか成立しないやり方だよなあと大変疑問に思っていた。ので、後ほどの展開は「うんうんそうなるよね」って感じではあったのだけれども、いやしかしだからといって利益の追求に全振りするのも必須要件ではないよねえ。義理や人情だけでビジネスはできないのかもしれないけど、うーん、組織での制作は難しいものだなあ……