テレビ映画、なのかしら? アル・パチーノに惹かれて見始めて、編集なんかはなかなかがんばっていたし脚本も全然悪くないと思うのだけれども、やっぱりちょっとテレビ映画って感じがするのはなぜなのかしら。こういうあと一歩の質感みたいなところは言語化できないのが悔しい感じもする。なんなのかしらねえ。
いやしかし脚本なんかはちゃんとつくってあるなあという感じはしていて、監督の描き方や情報の明かし方がとても良くできているのだよなあ。「朝食も忘れた」とか、あとプールのエピソードの辺りとか、ちょっとした一言や違和感やらで内面をきちんと描くのはホントに上手いなあと思う。でもってそれを成立させるためには最初の辺りでちゃんと監督側に心情が寄ってなきゃいけないわけで、アル・パチーノの便所芝居から始まるそこら辺の見せ方がきちんと成功しているってことだよなあ。
あとなんにせよ、マスコミがマスコミとして機能していて、それに対して信頼があるのは強いよなあ。子供を守ることがこんなにストレートにメッセージとして機能するのは、あー、逆に言えばそういった児童虐待の事件がなんだなかんだあるからでもあるのだろうけど。監督の子供のことと気付いてスッと道を空ける描写とか、距離感が本当にいいですねえ。