生きてこそ

生きてこそ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

事件の概要はWikipediaとかで知っていたけど、事実が小説よりも奇で映画としてはうーんちょっととか思ってしまう作品ではありますね。映像的にはめちゃくちゃ地味だし、話の展開もそんなに大きくはない。登場人物と一緒にめっちゃ長い時間を過ごしたような錯覚に襲われるのは狙った展開なのかしら。いずれにせよだいぶしんどい作品ではあります。『オデッセイ』みたいに生き延びるために知恵を絞って奮闘する話ではないのだなあ。まあ一番衝撃的な展開が人肉食なワケだし、むしろ信仰とか内面の葛藤とかそういう話にするのは当たり前か。なるほどだからこそあんなに自然押しのシーンが多かったわけですね、と書いてて納得。

それにしてもこういう「事実を元にした作品」のリアリティって難しいなあ。雪崩のシーンから逆説で子供を産むみたいな話をしている出来すぎ感もかなり引っかかったけど、雪庇で危機一髪だの滑り落ちファイト一発だのやる必要あります？　ってか似たようなシーンなんで重ねるの？　トム・クルーズでもないのに！　とかブーブー文句垂れておりますが、やっぱり「落ちそう落ちそう」ってシーンは見てるとグググイッと力入ってしまうんですよね。快楽原則には逆らえないのであった。