ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

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ワーオ。最高。今をときめくバンクシーによる、とってもよくわかりやすいアートとグラフィティの教科書って感じ、であると同時に、アートとグラフィティの微妙な関係性を映画そのものが体現しているという、まあ最高にメタくてクールで気の利いた作品。俺こういうの大好物。いやまあ概略は『アゲインスト・リテラシー ─グラフィティ文化論 Against Literacy: On Graffiti Culture』で知っていたわけだけれども、作品を見てなるほどなるほどとちょっと感動してしまうくらいに良かったです。いやマジでいい。

むしろいちいち構造の分析なんてしなくてもオッケー、見ればそれで一発でわかるからとにかく見ろ、みたいな心持ちでおりまして、むしろ個人的に興味を惹かれるのはグラフィティの現場の空気。まあ今日本では違法だからどうのこうのという何周遅れか知らないニュースが巷を賑わしているようですが、グラフィティって違法行為で公的空間を塗り替えることがどのような信念の下で行われるか、現場の断片をフィルムがしっかりすくい上げていてとてもとても良いのです。カメラマンのうさんくささが本当に堪らないし、そんなうさんくさいカメラマンが助手として有能だったりする辺りにとんでもないリアリティがある。好感度で目の粗い映像の生々しさが最高。ときおり挟まるポリスメンとのやり取りのドキドキ感が堪らない。極めつけはバンクシーによるディズニーランド襲撃で、公共空間よりも私有の空間の方が緊張感が半端ないというのは、あーなるほど確かに色々考えさせられるなあと思うのでした。

いやまあ本当に面白いのでアートとかバンクシーとかに興味がある人はマストで見た方が良いと思います。というか最高にカッコいいOPだけでも見て!