ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

心霊 x カルト x アウトロー

 

心霊 x カルト x アウトロー 
 

いやーストーリー展開で唯一意味があるのが依頼人が死んでいた下りだけで、他のところは全くドラマになっておらず核心にも迫らず、あーこういう物語的な展開を迂回するモキュメンタリーを撮るのかー、だったらどこに着地すんのかなーと思ったらあのオチってちょっとそれはどうなんすか。そのちょっと手前の、病室自撮りで「自分がなぜカメラを回しているのかわからない」みたいなのはもう最高に良くて、ジャーナリスト的な使命もなく雰囲気と興味本位でクラウドファンディングまでやっちゃって、説明のつかない事象に物語的決着をつけるためだけに追い込まれていくところは素晴らしいと思う。のだけれども、そっから今更親との対峙なんていかにもベタベタなシーンやられて一気に「オイオイオイ」って興醒めしてしまったよ。せっかくあそこまでやったんだからもっとお話を拒絶してポーンと放り投げてくれよ。最後のオマケの「手は本当の心霊現象かも」みたいな、ホラーのお手本的な終わらせ方もなんか最高にしゃらくさくて、そんなことやるためにこの映画一本撮ったんですか? って感じ。

東京にいながら地方の言葉で話すコミュニティとか、繰り返される駐車場でのインタビューとか、そういう細部がモキュメンタリーの撮影形式と相まってすげー説得力になっているのに、うーんもったいないなあ。ってかなんでクラウドファンディングみたいな「自らのリアルを物語化すること」へのプレゼンを、あんなさらっと流しちゃったんだろう? あそここそこの作品の核心に思えるんだけどなー。