あ、一応ニューヨークの話なのか。ブルックリンなのか。ロシアっぽくもありしかし言葉は英語だしなーとすごく不思議な感じであった。土地のバックグラウンドが全然わからんな。
でもそういうどこだかわからない感もこの映画にとって不可欠なんだろうなあという感じがする。ユダヤ人がどーこーいう話が出たりロシアに帰るだのなんだのの話が出たりで、その場所に安住できない感が大変しんどい。雪が降っているのも大変しんどい。そもそも兄だって最初から戻ることを拒否しているわけで、この映画には全く容赦がないというか、もう全体的にしんどい。セックスシーン見ていても心安まらない。ああいうどうしようもないラストがやってくることは、もうなんか作品全体に漲る空気でわかっていたよなーという感じ。クライマックス、フワフワと揺れるシーツとその向こうの薄いシルエット、そして穴から覗く悲劇……あー、なんて映画的なのかしら。
そして画角である。普通映画ってワイドーな画角のほうがそれっぽく見えるけど、この映画は狭い横幅で全然普通に映画っぽいよね。なんでだろ。生活感があるはなしだからなのかしら。カメラはいちいち決まっていて、父親跪けシーンとか溜息出ちゃいますけど。でも別にワイドだから映画って思い込みのほうが変なのかしら。シャイニングもめちゃくちゃ映画って感じがするしなー。てきとーだなあ俺の感覚。