ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

星の王子さま

 

星の王子さま (新潮文庫)

星の王子さま (新潮文庫)

 

うーんだめだー。全然合わねー。

とりあえず愛読書に上げておけばなんか雰囲気良いよね的な本であるけれども、オレはダメだなーこの本の内容は。子供のイノセントな視点を通じて大人の世界へ疑問を投げかける、というのは普通の構造だし創作としてあるべき姿とも思うけど、でもそれがここまで留保なしに「子供無罪!」されるとかなり鼻につく。オリンピックのマスコットを子供に決めさせとけば文句言えないでしょ? 的なしゃらくささを感じてしまう。大人の世界はなー、そういう子供の視点では解決できない問題にもきちんと取り組まなきゃならんのだよー、といちいち脳内で反論してしまっていて、えーとなんだろうオレの了見が狭いの? まあ広くはない。

でもね、基本的には似たような構造をとっているはずの『モモ』とかはそういう印象全然なかったんだよねー。あの作品では時間銀行を支配する側ってかなりファンタジーで抽象的で、なおかつそれに操られる大人も被害者で、だから子供視点から疑問を投げかけてはいるものの、しかしそういったシステムの上で生きて行かざるをえないこともきちんと織り込んである感じがすげーした。ので、むしろ子供側の視点から行動するモモは、読者が失ってしまう過去の希望として機能している印象だったのだ。

まー飛行機乗りの世界の見方というのはこういう感じなのかもしれぬそれはそれで趣深いなあとは思いながらも、基本的に好きな本ではないのだった。