ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

天冥の標 〈1〉 メニー・メニー・シープ (上)

 

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

天冥の標 ? メニー・メニー・シープ (上)

 

あー、これ1の上って括りなのか。全然理解していなかったぜ。

小川一水は短編から単巻で完結するようなものばかり呼んでいて、長いシリーズは全然読んでいないので、うーんこういう風に書くのだなあと思いながら読む。正直いって導入が暢気すぎないかなーという感じはする。舞台が舞台ってのもあって、かなり活劇っぽい導入でわかりやすくエンタメしていておーこういうのも書くのかーという感じになったけど、もうちょいキャラクターが強くても良いよなーとは思った。この感触だともっと破天荒なキャラに活躍してもらいたいのであった。最初のエピソードのつくりなんかからはもっとそういう展開を期待してしまったのであった。アンドロイド娼婦のエピソードも短編だったらもっとキレキレになってたよなーとか思ってしまう。

とはいえ最近『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』なんかを読んでいることもあって、まあ普通に世界観だけでめちゃくちゃ面白い。ってかタイムリーすぎるタイミングで、あの本を読んでいなければ全然世界感の理解度が違っただろうなあ。やっぱハーバー・ボッシュ法は偉大なんだなーと感心。

する一方で、社会制度があんまりピンときていないのも事実である。科学技術についてはあーなるほどそうなるよねーと理解できるのだけれども、異世界に向かったときの政治がどのような形をとることに合理性があって、それは現在の我々の社会制度と比較してどんなワンダーをもたらしてくれるのかみたいなのは、この枠組みだと避けて通れないテーマだと思うので楽しみにしながら読み進めたい。