ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゼイリブ

 

ゼイリブ 通常版 [Blu-ray]

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カーペンターが最高なのは知っていたけれども最高だった。いや最高。本当に最高。

もう何がなくともあの殴り合いシーンだよね。たぶんストーリー上ほとんど全くどうでも良いシーンで、でもその無意味なシーンをこれ以上ないくらいにじっくりじっくり描いてる。だってサングラスをつけろ嫌だで大のオトナ(しかもマッチョ)がもう殺し合い寸前の殴り合いしちゃうんだよ。もう全く意味不明……なんだけど、ただ「サングラスをつける」だけのことで世界の見え方が全く違って人生は変わってしまうことはままあるし、またそんな世界の劇的な変化をちょっとした意地で拒絶しながら生きていくことは普通にあるわけで。あの殴り合いを過剰なくらいに描くことで、創り手が感じているだろうそのすれ違いへの悲しみが、これ以上ないくらい画面のコッチ側まで伝わって来ちゃう感じがしてですね、なんだこの映画は、最高過ぎるぞカーペンターとなった。

あとどうしても書かなきゃいけないのがラストカットで、このストーリーって最高に投げっぱなしというか、たぶんあの装置を壊したところで世の中ハッピーエンドなんてあり得ないわけじゃないですか。むしろあの後人類の勝ち筋ってホントにあるの? って感じで、主人公は無鉄砲な行動原理でレジスタンスの目さえも潰してしまっている、可能性は多いにあるわけです冷静に考えれば。でまあ、そういう「このお話ってそれでいいんだっけ?」という疑問を、目先のバカバカしいエピソードで完璧に無効化する。カーペンターにロメロを巻き添えにした挙げ句、誰でも思いつくようなセックス中のジョークでエンドロールをボン! あー、この感じはなんか最近どっかで観たなーと思ったらアレだ、『デッドプール2』の落とし方だ! そうだよね、この話って別にお話の整合性とか求める映画じゃないよね、って感じ。

いやー、すごいなー、カーペンター最高だなー。