ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

風の向こうへ

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オーソン・ウェルズは『黒い罠』以降観ていなくて、あのキレッキレなウェルズのその後の作品を見たいなあと常々思っていた。『オーソン・ウェルズのフェイク』とかは、ちょっと前にモキュメンタリーにドハマリしたこともあって、サクッと見てしまいたいんだけどなあ。ネット配信がないとなかなか行動まで至らない……

で、『風の向こうへ』が来たからヨッシャーと思って見たわけだけれども、うーん、これがオーソン・ウェルズ作品なのかー? というのは全然ピンとこない。それまで観ていたウェルズの作品がエンタメだったから? 歳を取ってこういう私小説的というか自叙伝みたいな作品を撮るとエンタメっぽさがなくなってしまうのはわかるけど、うーん、果たしてこれが本当に監督の思い描いた映画の形だったのか。

なんて作者の気持ちを考えなくても、まあちょっと散漫でどこら辺にフォーカスしたら良いかわからん作品ではあるかなあとは思う。観ていてかなり辛かったのは自分のリテラシーのなさ故なんだろう。作中作を使いつつ実際にカメラが撮った映像という体で大変野心的だけれども、POVとかがバンバン取られている今から観ると、リアリティのコントロールって意識を散漫にさせないために大事なんだなあと改めて思った。

にしても作中作のエロシーンはだいぶキレキレで、いきなりの電話ボックスの編集にはびっくらこくし、ゴールドフィンガーな飲み屋やらカーセックスやら縞々影での追いかけっこやら、映像見ているだけで全然満腹になってしまう。っていうか女優が大変魅力的である。ずっとあの追いかけっこを見ていたいとか思ってしまうくらい。