ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

虐殺器官

 

虐殺器官 [Blu-ray]

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あ、あれ……? こんなつまんない話だっけ……と思わずだいぶ前に読んだ原作を確認したくなるのであった。いやまあ伊藤計劃の映画が軒並みアレな感じになっているという話はもちろん耳にしていて、この映画もまあ大概なデキなのだろうなあと思って見始めたけれども、あまりに酷くてゲンナリだよ。ちょっと高尚な感じの思索があるSFを丁寧に映像化しました! でも全然面白くない! っていつものアレ。制作のゴタゴタとか関係なく、単純に映像として映える作品を創る意識があるかないかなんじゃないですかね。

しかしまあ伊藤計劃の魅力である諧謔みたいなのが映像化にあたってクッソ寒い台詞とかになってしまっているのはほんと厳しいですね。なんの工夫もなくドヤ顔で名台詞っぽいものを抜き出したらこの寒さになってしまうのだろうなあ、という感じ。っつかあのクソ眠い冒頭シーンのあの怖気がする長台詞の応酬とかもっとどうにかならんのですか。つるっつるに上滑りする抽象的な台詞とか、思わず笑ってしまうBGMとか、まあやるべきことはわかるんだけれども、演出力が全然足りてないよね。全体的にスカスカでたるくてもう30分くらい短くしないと辛いよなーと感じました。

しかしまあ作品内ではつるっつるに滑っていたと思うけど、今の自分の位置から見ると、思想なんかを絡めて社会の仕組みを語ることはなるほど面白いなあと思う。だいぶ自分も世の中が捉えられるようになってきたんだなあ。もっかい原作読もうかしら。