アゲインスト・リテラシー ─グラフィティ文化論 Against Literacy: On Graffiti Culture
- 作者: 大山エンリコイサム
- 出版社/メーカー: LIXIL出版
- 発売日: 2015/01/26
- メディア: 単行本
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なんか最近バンクシーがあーだこーだニュースになったけど、ちょうど興味があってこの本を読んだ直後だったので、あーなるほどねーそういうことやるよねーという認識になってとても面白かった。現代アートの入門なんかもちょくちょく摘んでいたので、その作品がどの文脈でどのようにとらえられるかっつーのは大変な問題なのだろうし、この本でもバンクシーがそういう文脈にとてもセンシティブなところが解説されていたので、シュレッダー云々の話には納得感しかないよなあ。
あとそのちょっと前に「あのヘイト本、YONDA?」がミョーに持ち上げられたり、逆に「犯罪行為じゃん」と貶されていたりしていたのも、この本を読んでいたから結構周回遅れに感じていたというか……落書きが芸術か犯罪行為かはグラフィティのまあ一番最初の基礎の基礎で、そんなん書いてる方に今更指摘されてもなあって感じだし、一方そんな高尚な落書きかっつーと、すでに「ビジュアル・キッドナッピング」とかクソ高度なやり取りが既にフランスでやられちゃったりしてるわけでしょ? なんか最近の超ゲンナリする萌え絵と公共空間のやり取り含めて、日本はもうちょっとパブリックって概念をしっくり考えるべきなんじゃないかなあという気がすごくする。閑話休題。
そのほかにもホーボーなんてものを聞いて「あー! 『ホーボー・ウィズ・ショットガン』のアレか!」と大変納得したり、バスキアが出てきてあーあのバスキアかーと思ったり、色々知識が引っかかって大変面白かった。ちょっとここら辺掘ってみようかねーという感じである。