ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

若おかみは小学生!

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うーんやっぱ映画は省略だなー。作品全体がその省略で飛ばされたヒロインの心情へとたどり着くまでを描いているわけで、さすがの構成&脚本だなーと思う。デカい荷物手に無人のマンションに「行ってきます」というシーンだけであーそういう話ねーとわからせられて正直それだけで涙ぐむ。ほんと頭の一連のシーンはめちゃくちゃうめー。
例の若おかみ強制パートもやや引っかかるところはあるものの一応祖母の芝居でフォローはしてあるのでまあアリかなあという感じ。あのキャラにしてはちょっと主体性がなさすぎるかなあとも思うがしかしあそこで主体性を出させるためには母親の遺志みたいなところを強く出すのが普通のやり方で、構成的にフタしておきたいところよねえ。だからこそあの茶碗こぼしみたいなトリッキーなアクションが必要だったのか。
クライマックスのようやく出てきた涙パートの細やかさもさすがだなーという感じで、1回父親が「自分が辛い」を山ちゃんボイスで言わせてからの、正直綺麗事すぎないって感じの説得+子供が引き留めでうやむやのうちに宿に戻るあの感じが逆にとても良い。あのシーン全然ロジカルな説得にはなってないけれども、バックグラウンドにある由来ある宿が、深い父親の傷を癒すために機能するのが暗示される感じ(そういう意味では最初の親子も息子転向のきっかけが直接的に描かれないんだよなー省略されて宿のどこかで変化が起こった体なんだよなーうめーなー)。
ちょいと引っかかるのは最後にグローリーさんが迎えに来るところ。どっちかっつーとばあちゃんとかをメインに置きそうなところだよなーとは思ったのだけれども。まあPTSD知っているのがグローリーさんなので実際そうせざるをえないのか。全体的に鬼まで引っ張り出して結構強引なくらいに死を巡る人物たちの物語になっているので、ひとり女性としての成長モデルになるだけ(もちろんそれも大事な役割ではある)の彼女が浮いている感じは拭えないよなあ。