ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

狼花

 

狼花 新装版: 新宿鮫9 (光文社文庫)

狼花 新装版: 新宿鮫9 (光文社文庫)

 

あーダメ。もうダメ。最高。

今までの趣向は一休みして、根幹はキャラ。今まで複数巻に渡って登場してめちゃくちゃいいポジションどりをしていた二大ゲストキャラがバンバン出てきてもうそれだけで感激。なんだけど、巧みなストーリー展開でそのふたりがクライマックスで鮫島合わせて中華街で一堂に会してジョン・ウーしちゃうってのは一体何なんだ。銃を突きつけ合ってお互いの信念をぶつけ合って怒鳴り合うというのは素晴らしすぎないか。もうあのクライマックスを読めただけでここまで延々読み続けてきた甲斐があるってもんであろう。とにかく最高。

なんだけれども、その中心に女を置いてなおかつ女が全てを持って行ってしまう話のつくりがすごすぎてなあ。しかもその根本動機が「自分をひとりの人間として対等に扱って欲しい」ってところに帰ってくる、というかむしろそれしかなくて、そんな人間の純粋さにそれまで酸いも甘いもかみ分けたスパイが完膚なきまでにやられてしまうというその構造がもう素晴らしい。賞賛の言葉しか出ない。あまりにそっちがすごすぎてコレまでライバル張ってきた香田さんがかわいそうになるくらい。いやあ、それでも十分立ってますけどねキャラ。

いやー、次は最終巻ですか? こういうのってホント読み終えるのが寂しくなっちゃうよねえ。でも勢いつけて一気に読み進めるのだった。