ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

 

なんや、これ「第1章」なんかーい!! 作品の善し悪しとは別にオレ続きを観るかどうか大変微妙だなあと思う。

というのも自分全然ホラーを面白いと思う回路がなくて、もう全然これっぽっちもこわくなくて、かといってゲラゲラ笑うわけでもなく、ふーんそっかーへーって思いながら見るしかなかったからだ。別に稚拙だとかつまらない映画だとかではないのはなんとなーくわかるだけになんか余計に疎外感が強いね。

ロジカルに詰めて行くとなかなか面白い作品であって、水の流れが死者の国への移動を媒介するとか、あと子供と大人のテーマがそのままラストの敵の正体に直結するとか、そこら辺のつくりは勉強になるなあと思う。特に後者は、なんでもアリの敵を倒す説得力をどこで持たせるの? というところに「子供と大人の暗喩だよ」というのがガツンと前に出てきて、感情的に納得ができる作りになっていて、感心させられました。

でもさあ、そもそもピエロへの恐怖がないとか、あと開拓民としての後ろめたさがバックグラウンドになるとか、そういう文化的なバックグラウンドが直接恐怖の回路に根ざしてないのはキッツいよねえ。なんか『カウボーイ・ビバップ』のピエロ回くらい演出がキレキレで恐怖を感じざるを得ない作りになってりゃわかるんだけどねえ。自分からしたら、ただの汚い家で噛みつき技を持つクリーチャーと戦う話でしかないからなあ。

あ、しかし風船はイイですね。いつ壊れるかわからない危うい存在が重力に逆らってフラフラ宙を浮くという風船そのものが持つ属性を、ビジュアルでちゃんと恐怖に結びつけている。あのビジュアルイメージだけで合格! ってくらいには、ちゃんとした映画だとは思うんだよなあ。