ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から

 

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から

 

なんか最近ゲームの史観がどーだこーだって話があったけれども、そこら辺でリコメンドがちらほらあったので当たるか、と思って読み始めたら思った以上にクッソ面白くてビックリした。自分はゲーマーからはほど遠く、年にクリアするゲームも数本ってレベルでしかないのだけれども、そんな自分でも書籍内で取り上げられてるゲームは普通にわかるし参考に上げられる他ジャンルの作品も大抵知ってるしで、いかに日本のオタク的な感性にゲームが果たしてきた役割が大きいのかを改めて思い知らされるのであった。

本全体から感じるのは強烈な歴史的な意味づけで、事件とか災害とかにかこつけて色々なゲームが取り上げられるのだけれども、その手際があまりにも鮮やかでビックリしてしまう。自分が日々過ごしてきた点と点の日常に、補助線引っ張って意味づけすることであらあらこんなに鮮やかに歴史が生まれちゃうの? マジで? とその見取り図に驚愕するしかない。一方で逆に胡散臭く思えてしまう部分もあったりで、線と線を引っ張ったが故に落としてしまった細部を軽視したくはないものだなあ、とは感じる。いやしかしWoTのガルパンコラボとかまで拾うこの目の行き届き方は普通に信頼してもいいのでは、とは思いますが。コンピューター勃興の時代からアメリカのハッカー文化をちゃんと追いかけていたり、あとPBMにもかなりのページが割かれていたりと、まあ読み物として大変面白いですハイ。ずーっとモヤモヤしていたソシャゲ時代の変遷も軽いながらもきちんと触れられていて大変勉強になった、というかもうこの本勉強にならないところがはたしてあったであろーか? いやあ、素晴らしい本であった。