不思議の国のアリス

不思議の国のアリス (角川文庫)

だいぶ昔読んでいたのだけれども記憶がだいぶ薄れていたので読み直す。

「ナンセンス」という単語をたぶんはじめて知ったのがこの小説だったのではなかろうか。朧気な記憶に残っていたとおり、大変ナンセンスな内容だなあと感心しながら読む。

改めて読み直して感じたのは、体が大きくなったり小さくなったり……というアイディアの引っ張り具合で、この話ってそんなに体型変化が重要だったったっけ？　序盤は間違いなくストーリーを進める原動力だし、ラストの裁判でもまた引っ張り出してくるんだもんなあ。「不思議の国のアリス症候群」って症状に名前がつくのも大変なっとくという感じ。

あとは圧倒的なキャラ立ちで、これだけナンセンスが続いたら普通飽きちゃうと思うんだけど、挿絵の良さも合わさってそれぞれのキャラのインパクトが大変強い。こりゃまあキャラクターだけでも他の作品に引用されちゃうよね、という感じ。

ただし詩はやっぱりちょっと味わいがたいというか、メロディも言語もわからんので限度があるよなーと思う。そこら辺の言葉自体の感覚がわからないとだいぶもったいない内容に感じるのは相変わらずである。