ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マイク・タイソン THE MOVIE

 

マイク・タイソン THE MOVIE [DVD]

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いやはやとにかく全盛期のマイク・タイソンの説得力がヤバい。一人だけフィルムを早回ししてるんじゃないかって感じ。筋肉の感じがマジで肉食獣だよね。本当に人間か? って思う。

でもこの映画のマイク・タイソンは明らかに人間でもあって、全身からその安定しないメンタルの揺らぎがビンビン伝わってインタビューに異様な緊張感が漲ってる。最初に幼い頃はケンカできない弱虫だったエピソードが語られて、普通だったら「あーそうだよねー伝説の英雄にはそういうキャラ付けが必要だよねー」とかスルーしちゃうところなんだけど、マイク・タイソンのインタビューを聞いてると「あ、まだ精神の内側にはその弱虫だった頃の彼がいるわ」みたいな感じになる瞬間がいくつもある。我ながら単純だなーとは思うんだけど、やっぱりトレーナーのことを話して涙を流す姿を見ると、感じ入るところがある。と同時にドラッグはやべーなーとも思うわけで、この精神の安定を欠いた様は明らかに関係してるよねえ。

あと、こういう半生を語る形式のストーリーって、ラストにある程度格好のつくイベントを用意してピリオドを打つのが普通だと思うんだけど、それっていかにも仕立てられた作り物感がでちゃうものよね。その意味ではこの映画は全然格好がつかないラストで、それがかえって「マイク・タイソンやべえな」って説得力になってて大変良いと思いました。