ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

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『帰ってきたヒトラー』観た後にこの映画観るといやーきついわー。ドイツはパロディやらメタまで駆使してあんなに巧みに現在のエンタメに過去を織り込もうとしているのに、翻って日本の戦争物って安易に「家族」やら「恋人」やら「故郷」やらに落としどころを求めちゃうこと多くないですか? 全く自分たちの過去を相対化できていないことの証左に思えちゃうんだけどなー、なんで家族を思って自刃しちゃうのかなー創作の構造として安易すぎるだろ。

いやまあ『日本のいちばん長い日』とか『野火』とかそういうレベルの作品になると全然そういうことはないのだけれども、重要なのはむしろより近年の作品なワケで。最近の戦時中の映画って日本でなんかありましたっけ? そういや上記ふたつもリメイクされたけど上手く現代に接続できたかと言われると疑問だったなあ。『南京! 南京!』とかの力作を観ちゃうとなあ。

 最近巷で愛国心があーだこーだ言ってるけれど、別に愛国心に触れるのがまずいわけじゃない、というかむしろ愛国心を遠ざけ続けてきた結果が今であって、求められるのはそもそも愛国心がどのような機能を果たしてどのような歴史を生み出したか、という事実を把握することでしょ? RADの歌のあとにナショナリズムがどのような経緯で生まれてどのような機能を果たして戦争の規模が拡大したかとかそういう歴史的な意味づけマジで全然聞かなくて、ただ情緒的に「自分の国を思うことは悪くない」だったりその反対の冷笑ばっかりだったり。いや普通に知識の不足なんだから知識を広めりゃいいじゃん。『この世界の片隅に』は時代の空気のフォローとして重要だけど、その機微を拾うにはやっぱり知識、それも細部ではなくて思想的なバックグラウンドに対する理解が必要でしょ? うーん、絶望的な気分になるなあ…