ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

欲望という名の電車

 

欲望という名の電車(字幕版)

欲望という名の電車(字幕版)

 

 おー、これは確かに『ブルージャスミン』を思い出すなあ。あっちの方はケイト・ブランシェットがすげー熱演だったけれども、こっちのヴィヴィアン・リーもなかなか。でもこっちはマーロン・ブランドもかなりガンガンきていて、姉妹も含めて家族の話という側面が大変強いのだけれども、まーどっちかというとあの家自体に謎の吸引力がある感じだよなあ。欲望行きの電車に乗ってたどり着いた先、という状況が大変良く生きている。ストーリーの都合も合って盛んにライティングを意識させてみたり、内部と外部のペラペラさを音で示すのも最高。舞台の上下の位置関係を活かした演出もさすがで、お湯を垂らすのは爆笑だし、逃げ込む先への階段のカーブがメチャクチャ良く聞いているよね。

にしてもモノクロ映画の心理劇ってかなり効くなあ。『サイコ』観た時はまずオープニングの時点で心臓キューッとなってそのまま見入っちゃったわけだけど、きっとあれカラーだったらそこまで恐くなかったよね。この映画も、モノクロで女優のアップになるだけで恐いし、ライティングでシルエット強調されるだけで恐いし、汽車の効果音がガンガン鳴りまくるだけで恐い。最近だと『回転』とかもそうだけど、映像的な手管が少ないからこそ、女優のアップと効果音と脚本でドストレートに心理の崩壊をぶつけてくる感じ。