ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

マシンガン・プリーチャー

 

なんだこの映画全身からほとばしる「事実に基づいた物語」感は。今まで全く体験したことがないくらい事実に基づいている感がある。

まあひとつにはたぶんこの映画のあまりにも直線的な物語のつくりがあって、ザ・アメリカンなバイカーのワルが洗礼を受けて改心して大工仕事をして、という序盤の流れをアレだけ短くわかりやすく衒いもなくやっちゃうのはかなり違和感がある。そのまま神に導かれてアフリカにいって難民キャンプ観て目覚めちゃうわけでしょ? もしこれが創作だったらもうちょっと上手く紆余曲折させるよねえ。この筋書きを正当化するとしたら、「事実に基づいているから」って言い訳を用意するほかないよなあ。まあそういう謎のメタい説得力を足がかりに神に祝福された主人公の話が展開されていき、神の試練に耐えて信仰を貫けるか否かがかなり直接的に突きつけられ、ラストの実写で現実に追いつくわけだけれども……いやあ、だいぶアクロバティックな構造だよなあ。リアルに無理矢理物語の展開を納得させられた感じ。作品内では全くなにも解決していないこの投げ出された感さえ、リアルタイムの現実に説き伏せられてしまい、うーん……

良い映画かと言われると、例えば最後の言語が通じていたのだ! といういかにも作った転換なんかは決して上手く思えなくて、しょーじきどーなの? とは思うけど、思うけど、やっぱり奇妙な魅力のある映画だよなあ。すげえ不思議。