色々あるけどまず圧倒的にカメラ。なんなんだこのカメラ。こんな絵作り見たことないぞコレ。いや登場人物がこんな手前にいて、なおかつ後ろの背景もパンフォーカスでクッキリ映ってるってどういうこと? 手前の人間と後ろの映像を雑に合成するから手前の人の後ろがよく見るとぼけていて……なんて画はまあ普通にテクニックとしてあった気がするけど、でもこの映画はカメラも役者もグリグリ動いてて、これ合成とかじゃないよね? それじゃあメチャクチャ絞ってるってこと? マジで? こんな普通に明るい画像なのに? 白黒だからなんかできてんのかしら? うーん……
とまあ、終始疑問で頭がいっぱいになってしまうくらいに画が強烈。とにかく映像が良く撮れていて、それがまたこの映画全体の不穏な雰囲気と大変良くマッチしてるんだわ。屋敷の設定とか主役の世格付けとか小道具の使い方とか、もう全部大好きなものでできていてこんなん否定することが不可能だよなーって内容。大好きです。
いかにも不条理なストーリーも、解釈によってはああそうかーとわかりやすい辺りに落ち着いていて、まあこのくらいの難易度が適当だよねーという感じ。大変よい感じの映画と思います。