ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

新宿鮫6 氷舞

 

氷舞 新装版: 新宿鮫6 (光文社文庫)

氷舞 新装版: 新宿鮫6 (光文社文庫)

 

うーんおもちろーい!

毎回様々なアングルから楽しませてくれるこのシリーズですが、やっぱり組織の陰謀が絡んでくる展開が一番楽しいかなあ。新宿で組織の出世コースから外れて切り札保って一匹狼やってる警察官が主人公なんだから、キャラクター性としてもそういう押し引きがドラマティックになるのは道理だよねえ。しかも今回はそれに比べて「ライバルとの共闘」「運命の女の登場」という二大おいしいネタが贅沢にどがーん! とブチ込まれていて、これで面白くないわけないでしょーというデキ。

途中で違った道を選んだライバル刑事との軋轢や文化的ギャップで物語を展開するのは大変興味を惹く構造で、カラオケボックスの下りとかホントうまいなーって感心してしまう。このシリーズ、終始警察組織とキャリアの説明って側面があるわけで、知的な欲求を視線の高さの違いを活かしてほんとうまいこと織り込んでるよなあ。

まーしかしこの感での白眉はやっぱりゲストヒロインの登場か。芸術表現って下駄を履かせて、あんな短い分量で男女が惹かれあってしまうところに説得力を持たせちゃうんだから、いやーほんと上手いよなあ。立場とストーリー運び上、序盤でなんとなーく裏があって主人公の信頼を裏切る格好で離れるキャラクターだなあ、というのはわかるんだけど、突然「平行な線」みたいな比喩をブチ込んでふたりの関係をあそこまで昇華指せちゃうのはマジでビビった。いやー面白いなー新宿鮫。