通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 井中だちま
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2017/02/20
- メディア: Kindle版
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オレにはよくわからんけどフルダイブして異世界ってどうなの? 結構あるタイプなの? 作品内に微妙に現実との繋がりが残されているようで残されていないようで、でもそこら辺の曖昧さを利用してストーリーやらギャグやらが展開されるの個人的には最高にモヤモヤするんだけど。なろうとかちゃんと追っかけていればこの微妙にゲームライクな世界観を問題なく受け入れることもできるのかしらねえ。
まあいいや。作品としては「お母さん」が中心に添えられていて思春期のオカンに対するイライラは大変共感しやすい感情なワケで、んじゃあその感情をテコにどんなお話を作ってくれんのかなーと思ったんだけどまあ良くないね。母親の描き方がもう信じられないくらい薄っぺらで「あーはいはいそういうネタね」以上の感想が出てこない。いやまあもちろんネタなのは前提なんだけど、そのネタっぽい入り口からズンズン進むとおーなるほど母とはこのような存在なのか、というキャラクターの立ち位置から生まれる思索みたいなのが感じられることを期待しちゃうわけで、入り口のネタ感から一歩も先に進んでいないクライマックスの善悪の対立構造のペラッペラの薄さに苦笑も漏れない。キャラの造りや話芸にも全く面白味がなくて、白瀬さんの繰り返し芸が唯一好感という感じ。
別に賞に期待するお年頃でもないけど、これが大賞なのか、はぁ……