ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

皇帝ペンギン

 

皇帝ペンギン [Blu-ray]

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ドキュメンタリーと思ってたもんで最初は過剰な演出にドン引きする。なんだよあのわざとらしいSE。かなり編集の意図が強烈でこういうの苦手なんだよなー、とゲンナリ。していたもののどうやら見ているうちにこれってそういうドキュメンタリーを志向してる作品じゃないってことがわかってくる。どっちかっつーと読み聞かせの絵本に近いよねコレ。

そうやって見出すと色々腑に落ちるわけで、ペンギンの夫婦にナレーションというか吹き替えというかがついて気持ちを代弁しながら話が進むんだけど、よく考えるとペンギンってめっちゃ擬人化しやすい外見してますよね。直立してるし二足歩行だししかもその動作がいちいちユーモラスだし。でまあそれに相まって、コウテイペンギンの強烈に意味不明な子育ての試練があるわけです。いやマジで意味がわからん。そこまでしないと生存競争に生き残れなかったのかコウテイペンギン。むしろなぜその生態で生き残れたしコウテイペンギン。しかしそれが子育てという不変の価値観で描かれるわけだから感情移入しないわけがなくて、赤ちゃんまで生まれちゃったらまあ大変! そりゃまあ見入っちゃうのもしょうがないよねえ。ましてあのフランス語ナレーションでしょ? なんかこの枠組みを作った時点で大勝利だよなあ。

こんな限られた枠組みの中でも南極の四季のバリエーションとペンギンの生態のワンダーでキッチリ興味を保たせてて、いやーこれ技術的にも素晴らしい作品でしたね。こういう所がきちんとしてるとは全然想像してなかったので大変驚かされました。