映画としては前作の方がわかりやすく面白いかなーとは思うんだけれども、今回はテーマとかそういうメタレベルでの趣好が面白い。「正義の味方が家族を守るために苦悩を強いられる」っていう構造はまあよく見るけれども、今作の「家族であるかどうかがわからない」ってのは大変皮肉が効いていて良い。あんなに一匹狼感の強かったジャック・リーチャーが、小娘ひとりのためにどれだけ身体を張れる? っていう根底の構造はかなり面白く、あー、そうやって振り返るとその構造に見合うだけの展開ではなかったかなあ。もう少しそこを強調して正義とは何かに肉薄する話にもできたのではないだろうか。せっかくヒロインとのラブストーリーもほっぽって娘(?)との話に専念できたのになあ。ストーリーラインも行ったり来たりでライバルもそんなに経ってる感じはしないし、普通のアクション映画っぽくなってしまったのは残念。
あと思うのはトム・クルーズの年の取り方で、もう50半ばなワケだよね? 腹の辺りもだいぶふとましいし、アクション俳優としてはどう考えたって限界が来る。このレベルの俳優だと作品の中でどうやって老いていくかを描くターンに来てるわけで、あー、実際どうすんだろ? そこら辺ものすげえ興味があります。