ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

しんぼる

 

しんぼる [Blu-ray]

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スイッチを押すと何かが起こる、でもなにが起こるのかはわからない、というのは昔そういうゲームもありましたけど、その仕組みだけで注意を惹きつけることができる悪魔の装置ですね。この作品もボタンを押す因果関係で面白いアイディアはあまりなかったし、「いやどうせ全然期待を煽られて不満を抱くだけだから」って思いながらもついつい結果を見てしまう。その因果関係の不明瞭さをどう愉しむかがこの映画のポイントなんだろうけど、後半の飛躍を含めてどうもなあ、全然好感が持てないなあ。

と考えているうちに、もしかしてこれ主演が板尾創路だったら面白かったのじゃないだろうかとか思い始めたらラストの展開が面白くて堪らない。板尾さんが未来のスイッチを押したらもうそれだけでわくわくしますよね。変なカツラを被ってみても、松本人志は松本人志って感じで、神々しい演出も押しつけがましい印象が強すぎるんだよなあ。

あー、つまりあれか、スイッチを押す期待と同等以上に、その結果に対して役者がどんなリアクションを行うかを期待する構造になっていたら……ということなのかもしれない。松本人志のリアクションって基本的に実直で、スイッチの結果へのリアクションが予想の範囲内というか、むしろそのリアクションをどれだけ誇張するかしか振れ幅がない感じ。どれだけ叫ばれても全然面白く感じなかった。受け身というよりも主導権を握っていくタイプだから、まあ演出が全然乗り切れないけど、でも脳内シミュレーションやってた方がまだそれっぽいイメージ。でも板尾さんがやっていたら……うーん、顔の微妙なリアクションひとつで爆笑できる自信がある。いやー、見たいなあ板尾創路の『しんぼる』。