「一見不可能に思えるクリスマス配達を如何に可能にするか」というのはこれ系でかなり重要なテーマだけど、妖精を使って物量で説得力を取りに行くこの映画のOPはなかなか素晴らしい。手数が担保して説得力がきちんと出るなら手数をかければいいのだ、という当たり前のことをこれだけ密度濃くやられると参りましたって感じ。
一方その後のスットコ配達&家族ドラマの展開は結構スットコで、テンションが一段も二段も下がってしまうなーというのが正直なところ。そもそもメインのプロットが「目的の家に移動する」というそんな困難でもなさそうな内容で、しかも北極→イギリスでしょ? じいさんは確かにポンコツだけどさあ、別にどーにでもなりそうなもんだよね。
ラストの夜にするアレは確かに気が利いていたけど、妖精の後押しとかもうーんまあ当たり前だよねえくらいに落ち着いてしまっていて、家族間のサンタ観の差違もなあ。本当はテクノロジーの進歩とかが時代に置いて行かれる人間がもっと前に出て主人公の役割がしっかりすれば、大人も色々考えさせられる内容になったはずなんだけどなあ。あとは母親か。もう少し母親がおいしい役目を担ってもいいはずなんだけど。