ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

パンチドランク ラブ

 

パンチドランク ラブ (字幕版)

パンチドランク ラブ (字幕版)

 

あーすごい。有無を言わせずすごい。だって大抵こういうわけのわかんない映画って「はいわけがわかんないですどーでもいいです」になるわけじゃないですか。ピアノ? オルガン? なんか違う名前だっけ? あんなものを突然ポンと置かれたところで、「あーはいはいアートのアレですねあれ自分興味ありません」とかでスマホ弄り出しちゃったりしません? 僕はよくします。

けど、なんでこんなに吸引されるんだろうなあ。すごいなあ。映画に心地良い謎や欠落があって、回答があるとかないとか関係なく、自分からその中身を読みにいってしまう、というかいかされてしまうこの感じ。何故青いスーツを着るのかわからずプリンを大量に買いキレやすい主人公が一目惚れでハワイまで行っちゃうんだがテレホンセックスの詐欺で袋叩きに遭う。なんなんだこの話。なんでこんなに引き込まれるんだ。謎。謎。とても謎。

単純なエンタメでもなくかといって視聴者を突き放したりもせず、この距離感でこの語り口で作品がつくれるってのは一体何なんだろうなあ。なによりもまず主人公が持つ捉えきれなさと、しかしだからこそ生まれるひとりの人間への共感、みたいなのが話を底から支えていて、だからその人間の恋愛ストーリーには大変心を打たれる、みたいな? そうなのかな? よくわかんないな。不思議。PTAすごい。