ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい

 

まず企画自体が良いよね。ひとりの賞金首をめぐって一癖も二癖もある大量の暗殺者たちが一斉にホテルの屋上を目指す。彼らの思惑が思惑を呼び一種バカバカしくもある惨劇をもたらすってのは、まあ企画自体が大変よろしい。

問題はその暗殺者のキャラ付けをどうするかってところだけど、黒人女性ふたり組とバカ三兄弟がもうキャラ立ちが強すぎてヤバイ。あの二組に目が惹きつけられて、もう他の所に全然意識がいかない。いや、変装の名手とか拷問の人とかいろいろいるけど、でもキャラ付けという意味ではちょっと失敗しているよね。あーそんな人もいたかなあ、くらいの印象で話が進んでしまう。まあでもバカ三兄弟のチェーンソーの死に際が最高なのでオールオッケー。死体しゃべらせるのも最高。最高。

演出も序盤のたたみかける感じは好きで、暗殺者の視点をポンポン飛びながら状況説明するのは適切な混乱をもたらす程度で良い。それに比べて後半は割とオーソドックスというか、やんちゃをしない編集で、ちょっと寂しかったりするけど、でもあのまま最後までやられてたら辛いだろうからそれはそれで成功なんだろうなあ。

ただ、FBIの真相からラストの下りは結構どうでもよく、それがこの映画全体のガッカリ感に繋がってきちゃうよなあ。本当はあのコード抜きに心情がガッと掴まれなきゃならんのだろうけど、うーん、音楽で盛り上げられてもイマイチピンとこない。熱演はしてるんだけど、映画全体がそこに着地する話なのホントに? というのがある。でもラストでみんな生きてたし続編があるのかなあ、とググったらあったんだけど前日譚かよ! あんな思わせぶりに生かす必要あったのかしら……