ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ザ・ファイター

 

ザ・ファイター (字幕版)
 

ボクシング映画かと思ってたらボクシングパートがあんまり出てこなくてビックリした。いや出てこないわけでもないんだけど、ボクシングというよりは家族とドラッグの映画で、なんか『ミリオンダラー・ベイビー』の前後が入れ替わった感じ?

いやまあとにかく家族の描き方がアレで、いやまあよっぽど特殊な家族構成だけど、しかしだからこそ妙なリアリティがあってビビる。ってか普通に考えて姉妹がそんな大量にいることに何の必然性もないよね。でもだからこそ彼女たちが車で家に押しかけるシーンはマジで恐怖。っていうかあのリアリティの前には映画の他の要素が全て霞むよなあ。

マーク・ウォールバーグは嫌いじゃないし身体とか見事だとは思うけど、ボクサーとして強そうに見えるかっていうとちょっと疑問な感じがしました。というか、リング上でのシーンがあんまり良く撮れてないよなあ。画像とか当時の感じに寄せているのは笑えるけど、でもそれってある意味小手先というか……逆転のシーンで殴り合いをすぐにカットして観客席の反応にいっちゃう編集はマジで興醒めだった。オレがちょっと気にしすぎなのだろうか?

クリスチャン・ベールは熱演で、いやあさすがだなあと思うんだけど、しかし脚本で損してる感じがちょっとある。あの熱演が、そのまま弟のリング上の成功に繋がってクライマックスに向かわなきゃ行けないはずなのに、その接続が上手く言っていない感じ。兄が麻薬に傾倒したきっかけが、シュガー・レイ戦への後悔で、それを取り戻すための弟の戦い、みたいな線をもうちょっと明確に引けたんじゃないかなあ、と思う。