ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

 

うーん全編にわたって町を歩いて会話するだけの話なのにあんまり退屈しないのはすげえなあ。ふたりもそんなに特別な人間じゃないし会話だって特に刺激的じゃないのについつい興味深く追っかけてしまうのは、えーとなんだろうやっぱり脚本が良いのだろうか。個別のエピソードはやっぱり良くて、電車の中でのケンカの導入はとても良いし、音楽の下りの恥ずかしい感じとか最高だし、架空電話の下りとかとても気が利いているし、ミルクセーキの即興詩の感じとかもとてもステキだし、ワインをツケで買うシーンもグッときちゃう。そういう個別のちょっとだけ気の利いたエピソードの精度が抜群に良いよなあ。

構成としても船上でサンライズの別れを宣言してからの微妙な緊張感は大変溜まらず、ラストで再会を約束する普通なら「えーっ」てなりそうな芝居がはっきり良い感じに成立しちゃうんだから、いやー、なんかすごいよなあこの映画。変にリアリズムを気取るわけでもなく、むしろふたりの会話は形式的に描かれてる気もするんだけど、それがかえって良いのだろうなあ。