うーんこれまたじっくり殴りに来る映画だなー。いや、この内容で映画一本仕上げちゃおうって、ちょっと信じられないよね。どんだけ役者の芝居を信頼できたらこういうことができるんだ……
死刑についてあんまりよく考えたことなく、正直死刑が非人道的かどうかとかわりとどうでもいい話と受け取っているのと、あとやっぱり進行についての思索というか、罪の告白みたいな文化が全くピンとこないので、登場人物たちの苦悩があんまり上手く読み取れているようには思えないんだよなあ。所々聖書を引用して「ドヤ!」されるけど、その警句の含意するものとか全然想像できないもんなー。
とはいえ、子どもを失った親の悲しみだの、単純に自分が罪を犯したことを認められるかだの、そういう普遍的な部分でもちゃんと心を打たれるので、やっぱり力強い作品だなあと思う。葬儀の時に、罪の告白を受けた側が葬儀に来ていて、それが自分でも良く理解できてないのがすごくいい。
終始柵が目につく絵作りで、顔面アップがものすごく印象深いワケだけれども、その他も結構凝ってるよね。ラストのガラス越しの感じもすごくいいけれど、父親が失った息子の思い出を語りながらじっくりカメラを引くシーン、たまんないですね。