ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

テディーズ・アワー 戦時下海外放送の真実

 

【文庫】 テディーズ・アワー 戦時下海外放送の真実 (文芸社文庫)

【文庫】 テディーズ・アワー 戦時下海外放送の真実 (文芸社文庫)

 

何が一番ビックリしたかってそりゃラストで作者が息子であることがわかるところだよ。なるほどなー息子だからこそできる描写なんだなーと最後の最後で納得させられてしまった感じ。

終始感心させられるのはカナダに移住した日系人の心情で、当時カナダで日本からの移住者がどのように扱われていたか、また日本に戻ってきた日系人がどのように扱われたか、そこらへんの事情が武士道やら英語やらの具体例を挙げて述べられていて、大変説得力がある。こういう出自の二重性を巡る問題は、漠然とした想像では届かないところがあるんだなー、なんて思うのは『不夜城』に衝撃を受けたばっかりだからかもしれないけれど。

あと効いているのがテディと対になってる万城の存在。テディが一種成人めいているというか、いわゆる光の主人公で危なっかしいのと対置されて、汚れ役で現実的で人間らしい欲望を持つ万城が、大変効果的に機能している。弁舌がたつこともあって、彼の説得にテディが丸め込まれていく辺りが、この作品のリアリティを支えてるよなあ、と思う。

にしても完全なノンフィクションではないのね。どこら辺が創作に依らなければならない部分だったんだろーなー。