ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

キャピタリズム~マネーは踊る

 

今だから観ると面白い映画だなあ。オバマ就任時に彼が負っていた希望と不安とか、当時から広がり続けていた格差とか、あと途中で出て来るサンダースとか。トランプが勝利した後にマイケル・ムーアの文章が広まったけど、やっぱり以前からちゃんとそこら辺の勘所を指摘し続けてきたんだなあ、と今更ながらに思う。今の状況でマイケル・ムーアオバマをどのように評価しているのかは、すげえ興味深いなあ。

いやはや、今までリーマン・ショックをテーマにした映画はちょこちょこ観てきたけれども、アメリカの中流階級より下の人間がそれに対してどのような感情を持っているか、を表現した作品にはあんまり触れた記憶がなかったので、この映画で色んな部分が腑に落ちた感じがする。

あとはやっぱり思想だよなあ。歴史を振り返っても、局所的な最大値を求める運動にカウンターを打つのはひとつ抽象的な思想だったりするわけで。合衆国憲法に立ち戻ったり、あとルーズベルトの演説を希望の根拠にしたり……『インターネットの申し子』でも思ったけど、そういう表現が説得力を持つのがアメリカの強さだよなあ。

あと監督の聖職者にこだわる姿勢にようやくピンときたのも面白い。アメリカにおける宗教の役割ってどうもわかんねーなーと思ってたんだけど、公民権運動とかを引き合いに出して、これだけ明確に資本主義との対立項として宗教を描かれると、なるほどなるほどこういう働きをするのかー、となんとなく納得できた気がする。