ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

すっぱいブドウ

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これもNetflixで観たドキュメンタリー。

ある詐欺師がワインを大量に偽造して、オークションの形式さえ変えてしまうほど莫大な富を築いた話、というと確かにそういう側面もあるんだけれども、しかしこう作中でも触れられている「リーマン・ショック」が起こしたアレやコレやに較べるとむしろ可愛いくらいに思えてしまう。いやまあ確かにショッキングではあるんだけど、ワインを買いまくって市場から枯渇させるとか、ラベルを印刷し中身をブレンドして売るとか、もう全然常識の範囲内というか、リーマン・ショックで行われていた全く正気とは思えない経済システムとはレベルが違うじゃないですか。

だからむしろこの話は、ルディ・クルニアワンっていう人物の妖しい魅力とリアルな映像を見るべきなのかなー、とも思っていて、いや確かに映像で観ると人物が魅力的に思えるんですよね。騙されている人間の彼に対する信頼だとか、そこに対して自分の巨額の富を注ぎ込んでしかもその過ちを認めようとしないそのバイアスだとか、あとそもそもそのひとりの人物に市場さえもが引っかき回されてしまうそのメカニズムだとか。ひとりの詐欺師の信頼がいかに市場の金銭判断を揺るがしたか、そこら辺が大変興味深く面白かったです。