- 作者: 苫米地英人
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2013/01/28
- メディア: Kindle版
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この本における洗脳はオウムのカルトというかなり自分たちの生活からは距離があるもののように思えるけど、それはベトナム戦争における研究を下支えにしたものであったり(『戦争における「人殺し」の心理学』も去年くらいに読んだなあ)、またそれらのテクニックを学んだ人間が家族同士が殺し合いを仕向けるような凄惨な事件を起こしたり(DV)、まあ単純にそれらを結びつけすぎるのも危険なのかも知れないけれども、実際自分たちの生活のワリと近いところにあるのじゃないかなあ、と思った。
そういや『ガダラの豚』もそこら辺の話だよなあ。久々に再読するかなあ。
自分はディベートにネガティブな印象を持っていたので、実際どのようにそれが行われているのかという話は大変興味深い。論理の空間がどのように感じられているかは一般人には理解できないけれども、具体的に上げられているトレーニング法を繰り返せばそのような感覚を得ることができるのだろうなあ、と感心する。
生産の余剰による「宗教」の成立が人間の抽象的な思考を推し進めた、みたいな歴史のバックグラウンドを合わせて考えると因果だなあと思うし、やっぱりもう少し物語や言語の持つ影響力の大きさについて真剣に考えなければならないのだろうなあ。