ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

とにかく圧倒される。ネットでよく見るあの模式図は模式図にしか過ぎず、その中身について思考停止をしてしまっている自分に愕然としつつ読み進めた。
ウィキペディアに詳細な記事があって、基本的な話の流れはそこでわかるのだけれども、やはり細部が凄まじい。おぞましい肉親同士の殺し合いが行われている合間に、「かさぶたチェック」といった言語センスが介入してくると、その落差にゾッとしてしまう。細部のリアリティを確認するだけでも読む価値がある。
またこの本の後半で一気に前面に押し出される被害者としての妻の下りが大変心に響く。「DV」という単語が目新しい用語として使われた辺りも歴史の転換点だったのだなあと思う。あとがきの下りは涙無しでは読み進められない。