ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

世界史とヨーロッパ ヘロドトスからウォーラーステインまで

 

世界史本。

西暦、という言葉はもう生まれたときから当たり前の絶対の基準で、字面の上ではキリスト以前以後ってのはまあ当たり前に知っているけど、でもリアルな話「キリスト生まれる以前はどうやって歴史を勘定していたの?」って聞かれると「????」ってなる。それ以前の歴史観っていったい?

で、読み始めるとそもそも現代の人間と「時間」の感覚が違っていた、ということが語られて「うへー」となる。時間は循環する。太陽は沈み上りを繰り返し四季は春夏秋冬を巡るのだから、むしろそっちの方が自然よね。ってか、そんな話が『時間ループ物語論』でもあったよね。

というような、「価値観の転倒」がこういう本を読むことの醍醐味で、いや実際歴史本を読むときの面白さって「真実を見つけた!」って所にはないんだよなー自分の場合。っていうかこの本読みながら「歴史はかくかくしかじかである!」って割切っちゃったらそれ歴史から何も学んでないよね。言われりゃ「当然じゃん」って思っている常識に、自分の感覚がいかに囚われていて、その視点から以下に逃れづらいか(あるいは、本質的に逃れることが不可能なのか)。いやー、面白い。

一番印象的だったのは、中国文明が与えたインパクトの話かなあ。キリスト教から生まれた歴史観をバックグラウンドに敷いて、ようやく中国がどんな役割を担ったのかが実感出来た気がします。