ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

現代魔女図鑑

 

全巻読む。

前半で個別のストーリーがかなり気が利いていて、読み切りとしてかなり良い。ひとつの町の様々なキャラクターの様々な視点からの魔女を巡る話を、意外な切り口から演出するその手管が、いやーうめーなーという感じ。いや日常のスケール感でこういうストーリー&演出を構築できるのは憧れるなあ。

でもまあこのマンガの面白いところはそれらの短編が連作としての意味合いを持ち始める辺りにあって、後半は正直読み切りとしての精度はやや落ちるんだけど、その代わり舞台としての町のストーリーが歴史と共にずずずいっと前面に出て来る感じがすごい。それが良いことなのか悪いことなのか、それらの個別の短編が果たして良い形で生きているのかどうかはちょっと疑問があるところもあるんだけど、でも魔女たちの住む町の物語の総体としてクライマックスを持ってくるのは、うん、やっぱり正しい展開だよね。作者がその展開を最初から企図していたわけではない、という点も含めて、作品に誠実に向き合ったのだなあ、と思いました。

 

しかしまあこれ、いちいちキャラクターが可愛いよね。ワタクシとしましてはクッキーを作った彼女にハートをずっきゅんされてしまったのでもう少し出番があってもイイのではないだろうかと感じましたねーよ。